【リノベーション体験記】Vol.4 旧耐震基準マンションの耐震性を見極める重要な5つのポイント!

家の耐震強度

我が家は築40年超えの旧耐震基準のいわゆるヴィンテージマンションをリノベーションして暮らしています。前回は私がたった1ヶ月で中古マンションを購入した時の実際のスケジュールをご紹介しました。

実は私もはじめは旧耐震基準は怖いので、新耐震基準の物件に絞って家探しを始めました。しかし、色々調べたり物件を見ていくうちに、旧耐震基準の見方が変わってきました。そして最終的に旧耐震のマンションを購入するに至りました

今回は私がこの旧耐震基準のマンションを購入する際に学んだ知識と、耐震性を見極めるためにチェックした5つのポイントについてご紹介していきたいと思います。旧耐震基準マンションに不安を抱かれている方、これから家探しをする方の参考になると嬉しいです。

この記事はこんな人におすすめ
●これから中古マンションを探す予定
●旧耐震基準物件に不安がある
●できるだけ耐震性の高い中古物件を見つけたい

本ブログ「LIVINGSKAPE」について

この記事を書いている私は、デザイナー歴20年。アートディレクターとしてデザイン業界で働きながら、ライフスタイルブログ「LIVINGSKAPE-リビングスケープ-」を運営。Instagramのインテリアアカウント(@jk___decor)は現在フォロワー10万人。インテリアコーディネートやライフスタイルに加え、最近では育児関連の情報も発信しています。また、当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

旧耐震基準と新耐震基準について

1981年6月に建築基準法が大きく改正され、建物の耐震強度の最低基準が引き上げられました。建築業界では1981年6月1日以降に申請された建物のことを「新耐震基準」、それ以前に建てられた物を「旧耐震基準」と呼び、明確に区別するようになりました。

旧耐震基準は買わない方がいいの?

物件探しをする際、まず最初に悩むのがこの耐震強度の問題。大抵価格が安めで広く好立地な物件は、1981年以前に建てられた旧耐震基準のマンションの事が多く、「あーこれも旧耐震だ」なんて検討対象から外す、ということは家探しではよくあることです。では旧耐震基準マンションは買わない方がいいのでしょうか?

私はそれは違うと思います!

旧耐震基準でも強度の高いマンションは存在する

旧耐震基準の時代に作られたマンションでも、現在の基準を上回る強度の高いマンションは多くあります。実際、いわゆるヴィンテージマンションとして現在も人気が高く、価値が全く下がらないマンションは、その当時富裕層向けに分譲として販売されており、大手建設会社が高額な建設費を投じて作られ、今でも十分な強度を保っているケースもあります

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私の住んでいるこの中古マンションも、現在も高額で販売されていて人気のある物件のようです。購入の際に不動産会社に調べてもらったところ、新築時には大手有名企業の社宅として建てられたものでした(現在は通常の分譲マンションになっています)。建設会社も今でも有名な大手建設会社が施工しており、そこも購入に至る安心材料となりました。

ではどの部分で判断すればいいのでしょうか?

旧耐震マンションを購入する際に確認すべき5つの重要なポイント

【ポイント1】修繕履歴や計画表を確認する

たくさんの書類

すぐ出来るのは修繕履歴や計画表を取り寄せて内容を確認することです。中古マンションは、外壁や共用部などの経年劣化を補修するため、10年~15年程度に一度、大規模修繕工事を行うのが一般的です。それがどの程度の頻度で行われてきたかの履歴が分かります。それだけでなく、例えば配水管の清掃やエレベーター点検の頻度や、マンション全体の修繕積立金がどの位プールされているかも分かります。不動産担当者さんにお願いすれば管理組合から取り寄せてくれるはずです。中身がよく分からなくても、担当者の方にどういう状況か、管理状態はいいと言えるのかなど、アドバイスをして貰えば分かるので、自分ではそこまでよく分かってなくても大丈夫です。

【ポイント2】1971年以前の「旧々耐震基準」マンションか

実は1971年にも耐震基準の改正がありました。71年以前のものを旧々耐震と呼びます。阪神淡路大震災の時、倒壊した建物のほとんどが旧耐震だったという話は有名ですが、実は71年以前に建てられた旧々耐震の建物の被害がとても大きかったようです。もし旧耐震基準のマンションの購入を検討している方は1971年よりも前か後かを確認し、71年よりも前の物件は出来るだけ避けた方が良さそうです。

【ポイント3】地盤が強いエリアに建設されているか

いくら強度の高い設計で建てられていても、地盤が弱ければ意味がありません。以前そんなに大きな地震でもないのに横浜の新築マンションが傾いた事件がありましたが、あれは杭を堅牢な地盤まで差し込んでいなかった事が原因でしたが、地盤の重要性がよくわかる出来事でした。地盤の強さは今はiPhoneアプリで簡単にチェックできるので、内見の際に確認することをおすすめします。

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このアプリは自分が今いる位置をGPSで補足し、地盤の安定性を評価してくれるアプリです。とても簡単に使えて信頼性も高いので、内見にいく前にインストールして物件内で使用するのがおすすめです。

【ポイント4】1Fがピロティになっていないか

1階を駐車場などの空間にして、2階以上の建物を柱で支える構造を「ピロティ構造」といい、熊本地震で1階がつぶれた建物のほとんどがこの構造の建物だったそうです。やはり地面に直接接している一階に壁が少なく、柱だけで建物を支える必要があるため、揺れには弱い構造なので、出来るだけ避けた方が良さそうです。

【ポイント5】管理が行き届いているかどうか

マンションの植木

マンションの寿命は管理で決まる」といわれています。例えば植木がしっかり手入れされているか、ゴミ捨て場が綺麗か、ポストは溢れてないかなどでも管理状態の良し悪しが判断できます。また、外装に大きなヒビが入っていないかも重要です。マンションの老朽化はコンクリートの割れ目から雨水が染み込んで鉄筋を腐食させることが影響していると言われています。定期的に外装の修繕をしていればマンションの痛みは限りなく減らせます。こまめにメンテナンスしていればコンクリートは100年以上持つとも言われているので、耐震性に関わるとても重要なポイントです。

耐震診断について

よく「耐震診断を受けているかどうか」で判断すべきというサイトを見かけますが、大抵のヴィンテージマンションは耐震診断を受けていないと思います。なぜなら高額な費用が掛かることと、もし高額な費用を投じて耐震診断を行い、耐震基準に満たないと判定された場合、目に見えて資産価値が下落するため、マンションの総会で可決されることがないためです。そのため、なおさら自分で調べて、不動産会社に資料を手配してもらい自分で目で見て判断するしかないのです。

最後に

私が旧耐震基準マンションを選ぶ際にチェックした5つをまとめましたが、いかがだったでしょうか?自分にできることは限られています。新耐震でも旧耐震でも、地震が来ても絶対に倒れないなんて保証はありません。だからこそ、自分の目と知識で判断して、自分を信じて決めるしかありません。だからこの5つを確認すれば完璧!とは誰にも言えないのです。

でも私はこう思っています。今現役で建っている旧耐震マンションは、今日まで大きな地震から小さな地震まで、いくつもの地震に耐え続けて、ヴィンテーマンションと呼ばれる今日まで、大きな傷もなく建ち続けている。そう思うとなんだかとても頼もしい感じがして、旧耐震基準マンションに対する不安感がなくなりました。もし、旧耐震基準のマンションに不安を感じている方や検討している方に少しでも参考になればうれしいです。

次回は「【リノベーション体験記】Vol.5 優先順位付けが大事!私の中古マンション購入における希望条件TOP10」をお届けします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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JK DECOR

TOKYO | DESIGNER | ART DIRECTOR
インテリア好きのグラフィックデザイナー。Instagramフォロワー10万人。夫婦と娘の3人家族、40年越えの築中古マンションをリノベーションして暮らしています。家具、家電、食器、雑貨、収納など、好きなものを気ままに綴ります。オリジナルのアートポスターをデザインしてオンラインストア「MONOKHROME」にて販売中。下のウェブサイトボタンよりアクセスください。

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