我が家のインテリアのテイストは北欧モダンと自分では思っていたのですが、最近知ったのですがこういうカラーリングのテイストを「エリソンナチュラル」と呼ぶようです。今回はこのエリソンナチュラルというテイストの特徴と、どうしてこのテイストを選んだのか、そしてカラースタイリングが苦手な方でも絶対に上手くまとまる、エリソンナチュラルのカラーコーディネート術についてご紹介したいと思います。
この記事を書いている私は、デザイナー歴20年。アートディレクターとしてデザイン業界で働きながら、ライフスタイルブログ「LIVINGSKAPE-リビングスケープ-」、その他にもお金のブログ「MONEYDOSCOPE-マネードスコープ-」や子育てブログ「dotmomdad-ドットマムダッド-」を運営。Instagramのインテリアアカウントは現在フォロワー10万人。インテリアコーディネートやライフスタイルに役立つ情報を発信しています。
エリソンナチュラルインテリアについて
「エリソン」とはフランス語でハリネズミの意。配色がハリネズミに似ていることが由来のようです。グレーや白、ベージュを基本にしたカラーリングで、アクセントとして黒を加えた「エリソンカラー」でコーディネートされたナチュラル感のあるインテリアスタイルのことをエリソンナチュラルテイストと呼ばれています。
部屋の色合いやテイストを選んだ決め手について
部屋作りをする上で一番大切なのは「自分が過ごしていて気持ちのいい空間かどうか」だと思います。私の場合は部屋が散らかっていたり、カラフルだったりするのが好きではないので、生活感の出るものは出来るだけ隠したり。その全ては「自分が居心地のいい空間作り」を意識しているからだと思います。
海外のアトリエのように色々なものが雑然と置いてあるお洒落な家や、色を上手に使ったインテリアが素敵な空間、家づくり、空間づくりには人それぞれいろんな好みとセンスがありますが、それもすべてその人が気持ちのいい空間作りのため。自分自身がリラックスして過ごせる空間が一番大切だと思います。それが私の場合は偶然この「エリソンナチュラル」というテイストみたいです。
でもこのテイストを知っていた訳ではなく、自分の好きな空間を作って行ったら、結果的に「エリソンナチュラル」というテイストにぴったりハマったという感じでした。
エリソンナチュラルのベスト配色バランス
エリソンナチュラルインテリアを実現する配色バランスに必要な色と配色箇所は以下の4つ。
カラー | 配色箇所 |
---|---|
1.ナチュラルブラウン | 自然素材の色 |
2.グレー | ファブリックの色 |
3.ホワイト | 壁紙や家電の色 |
4.ブラック | アイアンフレームなどの差し色 |
エリソンナチュラルインテリアはほぼこの4色で構成されています。それぞれの項目について詳しくご紹介します。
1.自然素材の色【ナチュラルブラウン】
自然素材の色は厳密に合わせる必要はなく、オークカラーで大まかに合わせておけば大丈夫です。木の色は少し異なっている方がインテリアとしては奥行きが出て面白いです。
我が家も基本的にはオークで揃えていますが、テレビボードはチークっぽい色、スタンドライトはウォルナットなど微妙に色味や素材が異なっています。が、個人的のはその方が空間全体がのっぺりとせず、立体感や奥行き感が出ると思っています。
2.ファブリックの色【グレー】
ファブリックの色はカーテン、ソファ、ラグなど布物の色で、これらは色の方向性を合わせた方がいいと思います。エリソンナチュラルインテリアの場合はグレー系やベージュ系で揃えるのがおすすめ。
たまに、カーテンは汚れるからという理由で濃い色(例えば黒やブラウン)を選ぶ方がいますが、圧迫感が強くなり部屋が狭く見えるので、カーテンは壁の色に近いものを選ぶのがオススメ。実は我が家のカーテンもライトグレーを選んだつもりだったのですが、少し濃過ぎたなと思います。
ライトグレーのカーテンは汚れも目立たなく、圧迫感もないので個人的にはおすすめです。
3.壁紙や家電の色【ホワイト】
存在感のある冷蔵庫や電子レンジなどの家電系はカーテン同様に壁の色に合わせると広く見えます。色とは関係ないですが、デザインは出来るだけカクカクしたフォルムの方が部屋の形に無理なく馴染んで空間が広く見えます。
黒い家電もカッコいいですが、その場合はコンクリート打ちっぱなしの家や、ウォルナットのキッチンシェルフなど濃い色と合わせて使わないと悪目立ちしてしまいます。
4.アイアンフレームなどの差し色【ブラック】
我が家の場合はアイアンの黒。エリソンナチュラルの場合この黒の使い方が重要になってきます。私の場合、空間全体に対して1割-2割位の比率を意識して使っています。
ちなみに、観葉植物の緑色はこの4色の内にはカウントしません。鮮やかすぎない自然素材の色味は単調な空間により深みを与える要素になります。4色に加えて効果的に使えばより魅力的な空間づくりが出来ると思います。
「エリソンナチュラル」が失敗しない理由は「色を使わない」から!
エリソンナチュラルの一番のポイントは「グレーや白、ベージュを基本にしたカラーリングとアクセントの黒」で構成された「エリソンカラー」です。絶対に失敗しない理由はこの「色を使っていない」部分にあります。
私は普段、デザインの仕事をしていまして、主にグラフィックデザインとWEBデザインをメインに携わっています。20歳から働いているので早18年。デザインの仕事をしていて思うことは、「配色は色数が増えるほど難しい」ということです。色は増えれば増えるほどバランスを取る難易度は上がっていき、本当に色バランスに長けている人ならば問題ないかもしれませんが、私は得意な方ではないのでデザインする際も色数は極力絞っています。ファッションでもワントーンコーデやバイカラーコーデなど、ある程度色数を絞るとまとめやすくなるように、インテリアも考え方は同じです。出来るだけ色数を減らすように、家具は出来るだけフローリングの色に方向性を合わせたものを選び、ファブリック系、いわゆるカーテンやソファ、ラグなどは基本的には同系色の濃淡で選びます。我が家の場合はグレーです。
インテリア雑貨も基本的には着色されていない素材の色を活かしたものを選んでいるので(今流行りのプリミティブインテリアです)、色のバランスを考えなくていいのでディスプレイする時も大きさのバランスだけ考えて配置すればいい感じに見えます。
こちらの記事もおすすめ
つまり、色は足さずに引き算で考えれば難易度はさがり、自ずとまとまりのある空間になる。と私は思っています。色と呼べるものは、ドライフラワーの淡いカラーと植物のグリーンくらいです。ちょっと極端かも知れませんが色を扱うのが苦手だからこその考え方なのかもしれませんが、この方が失敗しにくくておすすめです笑
自分の好きなテイストの見つけ方
結局は自分の好きな空間にすることが一番大事なのですが、自分の好きなテイストやインテリアの方向性ってざっくりとは自分の中にあるけど、それをイメージや言葉にして伝えるのって案外難しいですよね?そんな時に私がおすすめする方法は「イメージボードを作る」ということです。イメージボード(またはムードボード)とは、相手に自分の中のイメージを伝えるために、理想に近い写真を集めて組み合わせたコラージュのことで、本来はグラフィックデザインやインテリアデザインの仕事の際に用いる手法です。これを簡単に作るのにベストなツールがPinterestというSNSです。
例えば「北欧 リビング」などのワードで検索して好きな写真をピン(お気に入りに登録)します。おすすめは、エリアごとに分けてリビング、キッチン、寝室、トイレなど別々にボードを作ることです。あとで見返すときに分かりやすいです。ひとしきり自分の好きな雰囲気の部屋の写真を集めていけば、自ずとやりたいこと、自分の住みたい家のイメージが自分の中で固まってきます。大抵自分が作ったボードを見返してみると、意外と同じような写真を集めているのが分かると思います。そうやって自分の好きなテイストを見るけることが理想の空間を作るための一番の近道だと思います。
最後に
今回は我が家のインテリアテイストであるエリソンナチュラルの特徴と、どうしてこのテイストを選んだのか、そしてカラースタイリングが苦手な方でも簡単に実践できるカラーコーディネート術についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。インテリアのスタイリングや色の合わせ方に自信のない人でも、上手く真似しやすいエリソンナチュラルコーディネートの秘密は、制限した色数によるところが大きいと思います。これからご自宅をリノベーションされる方や、お引越しをされる方の参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。