空間の広さは、視覚による錯覚で大きく変わるのをご存知でしょうか?同じ広さの空間でもちょっとしたことを意識するだけで空間を広く見せることができます。今回は、狭いお部屋でも、できるだけ広く見せるために重要な3つのポイントについてご紹介していきたいと思います。
この記事を書いている私は、デザイナー歴20年。アートディレクターとしてデザイン業界で働きながら、ライフスタイルブログ「LIVINGSKAPE-リビングスケープ-」、その他にもお金のブログ「MONEYDOSCOPE-マネードスコープ-」や子育てブログ「dotmomdad-ドットマムダッド-」を運営。Instagramのインテリアアカウントは現在フォロワー10万人。インテリアコーディネートやライフスタイルに役立つ情報を発信しています。
部屋を広く見せる3つのポイント
共通して言えることは「圧迫感を出さないこと」。基本的には圧迫感を出さない方法として私が大切だと思うことを3つのポイントに分けてご紹介します。
私自身、この3つのポイントを意識して空間づくりをしています。
1.背の高い家具を置かない
腰高よりも高い家具は出来るだけ置かない。もし収納が足りなければベッドの下に入れるなど、上に詰まなくていい収納方法を探します。
つまり、部屋の壁面クロスが隠れれば隠れるだけ圧迫感が出るということです。
私が個人的に一番圧迫感が出ると思っているのは壁面収納タイプのテレビ台。広い部屋だったら大丈夫だと思いますが、背板により、壁面がすべて木目の感じになってしまうとかなり圧迫感が出てしまいます。
2.余白を意識してレイアウトする
部屋自体が広いか狭いかではなく、何も置かないスペースを作るか作らないかで部屋の印象はだいぶ変わります。部屋の大きさを考えずに、デザインを優先して大きなソファやテーブルを置いてしまうと部屋が実際よりも狭く見えたり、圧迫感のある空間になってしまいます。
おすすめは、部屋の奥側から家具を配置していき、手前にスペースをできるだけあけること。入ってすぐの空間がひらけていると、奥に家具が色々置いてあっても開放的に見えます。
例えば、二人暮らしであれば
- ダイニングテーブルを置かない
- ソファの前にローテーブルを置かない
という引き算の選択もありだと思います。その分、限られた空間に余白を作る事ができます。
私も今の家に住むまではダイニングテーブルを持っていたことは一度もありませんでした。
日本人は「余白」に美しさを感じる独自な美意識を持っていると言われています。京都の龍安寺の石庭は、その美意識が生み出した先駆けとも言われています。余白を生活に上手く取り入れれば部屋をより広く開放感のある空間作りができると思います。
狭いリビングダイニングなら無理にダイニングテーブルを置くよりも、ソファ周りにスペースを割いた方がいいです。ダイニングテーブルは高さもあるので圧迫感が生まれますし、食事をする時にしか使わないダイニングよりも滞在時間の長いソファ周りに空間を使った方が有効的だと考えます。
3.濃い色を使わない
部屋を狭く見せてしまう原因の一つとしてよくあるケースが「カーテンの色」です。ブラウンやブラックなど、濃い色のカーテンを選ぶのが個人的には一番NGだと思っています。カーテンは洗濯するのが面倒なので、出来るだけ汚れが目立たないものを、と濃く暗い色のカーテンを選んでしまう場合がありますが、カーテンは出来るだけ壁の色に近いものを選ぶのがベスト。
ただ白は汚れが目立ってしまうので(開け閉めの際に触れる箇所が黒ずんできます)、おすすめはベージュかライトグレー。カーテンバトンを使えばカーテンに直接触れずに開閉できるのでおすすめです。私も使っています。
会社勤めしている方の場合、昼よりも夜の時間にどう見えるかが大切なので、カーテンを閉めた時に圧迫感の出ない色を選ぶと夜のお部屋の圧迫感がかなり軽減すると思います。
ラグやソファも同様に、狭い部屋の時こそグレーやベージュなど、明るくニュートラルな色を選ぶと存在感が抑えられるので部屋が広く見えると思います。
これ結構選ばれがちなのですが、これが一番狭く見えます。特にフローリングもブラウンでカーテンもブラウンだと夜に圧迫感が強く出ます。もしブラウンのフローリングでも、ライトグレーやベージュのカーテンを選び、ラグもカーテンに合わせてあげると一体感のある明るい空間になります。
最後に
家具の色で個性を表現するのではなく、家具やカーテンはニュートラルなものを選んで小物やディスプレイで個性を出すと部屋を狭く感じさせずに自分らしい部屋作りが出来ると思います。これから新生活を始める方の参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。